私のつぶやき

呼吸力は、過去現在未来の中で、現在を最善最高に活かすことで出てくる技と思います。

※有段者研修会に参加していた先輩に、「呼吸力とは何だと思う?」と質問された時の私の答え

私が50代前半だったと思いますが、関東の支部道場で指導されている先輩が、本部道場で稽古している私に、「本多君、呼吸力とは何だと思う?」と突然質問してこられました。一瞬考えて、自分なりに普段から迷いながらも思っていることを口にしました。先輩は感心したように「なるほどー」と言っておられましたが、本当にあの答えで良かったのか、今でも私の課題として残る命題です。いつだったかは忘れましたが、砂泊先生が「昔は、どうだこうだという人がいますが、そんなことを言ってもね。帰ってくるわけじゃないですからね。今がどうかということですよ。」と話されたことがありました。だから、予備校講師の林修氏が、「今でしょう!」という言葉を流行させたときは、砂泊先生と同じだと思いました。今を生きている生物は、地球誕生以来、姿かたちを変えながら連綿と命を繋いできた過去を持って、現在の一瞬一瞬を生きています。そして見えないけれど、今を過去にする未来に向かって進んでいます。私にできることは、「今、此処」を最善最高に自分自身を導き未来に繋いで行くことだと思います。呼吸力の技は、実に無理がなく、穏やかな心で、相手との調和を大切にする最善最高の技だと思います。今までもそれを稽古して来たし、今後も砂泊先生が探求した合氣道を追求したいです。『合氣道の精神』の中に「天の理法を体に移し」とあります。呼吸力が本物であるならば、天の理法に通じるものがあるはずだとの思いで、私は日々の稽古に励んでいます。

本多理一郎 記

こ れ か ら の 私 と 合 気 道     参 段  加 藤  友 美

 この度は参段を頂きありがとうございました。また今回の審査の為、稽古に協力して頂いた皆様、心から感謝申し上げます。以前は体も華奢で武道とは縁遠い生活を送っていた私が、まさか9年も合氣道を続けることが出来るとは、今でも信じられないくらいです。元々負けず嫌いな性格もあり、ひたすら強くなりたいという思いで続けてきました。しかし最近は、本多先生の合氣道に対する考え方を伺う中で、技を磨いて強くなる事と並行して自身の成長に目を向けたときに、内面的な成長が追いついてきていないように感じる事が多々ありました。強くなれば、おのずと道徳心が高まり、人格が磨かれ精神的に強くなると思っていましたが、意識して自己研鑽していかなければ自身の成長に繋がらないのではないかと感じました。『合氣道の精神』をいつも稽古前に奉唱しますが、その中に私が向かうべき道があるように思います。合氣道を通して相手を思いやる心、礼節を尊重する態度を養う自己完成の道程もちろん今でも強くなりたいと思う気持ちに変わりはありませんが、その先にある人間としての魅力を高める事も今後の課題になると感じています。
昨年は本多先生の東京での講習会にお供させて頂く機会がありました。普段稽古している呼吸力を本多先生が、東京で合氣道をしている人達に披露されると会場が響めいたのを感じました。「力まずに、力を抜いて、任せるんですよ」と、いつも先生が話されている姿を拝見して呼吸力の大切さを改めて感じる事ができました。そして東京の皆様の稽古に参加させていただき同じ合氣道とはいえ親徳館以外、また違う流派で稽古した事がなかったので戸惑う事もありましたが、皆様の真摯に稽古に打ち込む姿を見て感銘を受けました。東京で素晴らしい先生、先輩方と出逢えた事は、これから稽古の中で必ず役立てていきたいと思います。
最後に最近女性会員が増えて賑やかになり合氣道に興味を持ってもらってる実感があり嬉しく思います。引き続き少しでも手本となれる指導員として皆様と共に切磋琢磨して稽古に励みたいと思います。

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