大先生の一言
相手の手や肩を取るときは、手の腹で取りなさい。指から先に出してはダメです。
*私が20代後半の頃、普段の稽古中に話された大先生の一言

私は、今年で70歳です。人生を振り返って道程を見つめ直す時なのかもしれません。

 夜明け前、厚着して我が家の2階ベランダで令和4年の初日の出を待っていると、午前7時18分、雲一つない東の空に、阿蘇の山々から顔を覗かせるようにしてお日様が昇ってきました。厳粛で神々しい年の初めを体感できました。私は今年で70年目の正月を迎えます。自分の人生を振り返って、道程を見つめ直す年齢になってきたのかもしれません。稽古で相手の手を握るとき、未熟な私は指先に力を込めてしっかり取っていました。特に大先生の受けをする時は、何かを得ようと必死で握りました。その結果、大先生の全く力の入ってない手に完敗でした。私の両親指の付け根は時々今も疼きます。大先生が、未熟だった私の身体に残してくれた勲章だし、戒めです。     

本多理一郎 記

令和4年1月1日 午前7時18分に、我が家のベランダから拝んだ初日の出
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