大先生の一言

他人の家を訪れる時は、時間をはっきりと言って伺いなさいよ。

*昭和57年4月12日 語学課程教育の為、熊本から東京へ出発する前日の大先生の一言

初めての東京、苦手な英語が大好きになり大先生の偉大さを再認識する機会になりました。

 週末、演習準備をしている時、突然「来週から本多は、英語課程教育で、半年間東京に行くことになったから演習準備はしなくてもいい。」と隊長から言われた。3次試験まで受けてはいたが、学生のときも英語が一番苦手な科目だったので、まさか全国から年に20人しかいけない教育に受かるとは思いもしませんでした。大先生は「合氣道の心を求めて」の本を出版され、合氣道も最高に充実されていると自分なりに思っていただけに、大先生の傍から半年間も離れないといけないことに、心残りもありました。熊本駅を16:01、大先生と合氣道の仲間に見送られ、初めての東京へ、期待と不安の旅立ちでした。教育の成績はあまり良くなかったものの、英語が大好きになりました。また、様々な合氣道の道場を訪れ、改めて大先生の偉大さを再認識する機会になりました。     

本多理一郎 記

 

     昇 段 試 験 を 受 け て   初 段    髙 尾 美 保

 私は、合氣道を始めて約三年になる。当初は、体の動かし方、力の抜き方がよく分からず難しかったが、毎回、いろんな技が習えるのでわくわくして道場に通ううちに、あっという間に三年が過ぎた感じである。
 合氣道を始めた動機は、小学校に刃物を持った犯人が、小学校の先生を切りつけるという強盗事件が起こり自分の命を守るために護身術を身につけたいという思いだった。そういう場面は、めったに起きない方がよいが、刑事ドラマを観た時などに、合氣道の技を引っ張り出して我が子と一緒に研究している。子供に関わる事件が多発しているので、我が子にも自分の命を守る意識付けに役立っている。
 合氣道を習い始めて、良かった事は、精神面の成長もある。合氣道に出会うまで相手に力づくで勝とうとしていた。力と力のぶつかり合いでは破壊しかない。でも、館長先生は相手の力が入っているところを力を抜き、相手の中に入っていかれる。どんなに力が強い人も倒される。これは人間関係にも言えると思う。実際、自閉症の障害を持っている子供達と日々接する仕事をしているが、力づくでは巧くいかなかったのに子供の思いを受け止めた上で正しい考えや行動の仕方を教えるとうまくいく。まさに、「敵そのものを無くする絶対的自己完成の道なり」である。
 また、合氣道を通して、素晴らしい仲間に出会えたことも私の財産である。昇級試験前には私は毎回不安になるのだが、館長先生をはじめ、有段者の方が練習に付き合ってくださる。技の習得に時間がかかってしまう私に懇切丁寧に、繰り返し教えて頂くので本当に有り難く思う。今後は、私も自分の技を磨き、アドバイスができるようになっていきたい。
 今後の私の課題としては、三つある。昇段試験の時に杖がうまく使えなかったので、杖の練習をすることが一つ目である。基本練習を採り入れていきたい。二つ目は一つ一つの技を形の真似でなくどうして、こういう動きをするのか理解するようにしていきたい。呼吸力などまだ分からないことが多いのでじっくり研究していきたい。三つ目は、自己完成を目指すことである。合氣道も人間関係も謙虚に学んでいきたい。
 今回の熊本地震で自然の脅威の前では無力なのだと感じた。”生きている”というよりも”生かされている”と思った。また、日常生活を当たり前に送ることの幸せも感じた。生かされた命を最大限に使い、幸せをかみしめて、合氣道の道に進んでいきたいと思う。

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