相手を止めてやろうとする想念が成長を止める。相手を導いてやるという気持が大切
*昭和62年7月30日、朝稽古の時に話された大先生の一言
*昭和62年7月30日、朝稽古の時に話された大先生の一言
「級、段が上がってくると、何か自分が偉くなったような錯覚を覚えて、自分よりも下位の者に対して実力を見せてやろうと、わざと相手の動きを止めて技が掛からないようにしては駄目です。そうゆう思いが成長を止めるんですよ。実力をつけたものは未熟な相手に対して、正しい方向に導いてやるとゆう思いやりが大切ですよ」と大先生の言葉を解釈し、まだまだ未熟な自分を五段だった私は反省したんだと思います。朝稽古の後、メモ帳に走り書きしているのを見て、とても印象に残った稽古をしたんだと思われます。当時の事を今は全く覚えていませんが、常に心に置いていなければならない指針だと思います。「稔るほど、頭を垂れる稲穂かな」ということわざがありますが、人は生涯を全うする瞬間まで様々な事で試されます。生かすも殺すも自分の考え方次第です。
本多理一郎 記
合 氣 道 を 続 け て き て
初 段 冨 吉 優 太 郎
私は、合氣道を始めて4年目になろうとしています。後から入門された方に追い越されながらも、今回やっと昇段審査を受け初段に上がることができました。 私は漫画やアニメ、ドラマなどで合氣道を使って敵を倒したり、サッカーなど他のスポーツに使われている描写を観て、「ああ、これスゲーな」と思い、やってみたいと思ったのが合氣道を始めたきっかけです。正直にいうと、初めて河村さんに稽古に連れて行ってもらったときは、いったいこの人達は、何をやっているんだ?とチンプンカンプンでしたが、今では夜道で襲われたらこの技で対応しようかなど、常に頭の中でシュミレーションするくらい合氣道にのめり込んでいます。
合氣道を始めて面白いと思ったことは、合氣道は力じゃないというところです。私は、力が強ければ相手に勝てると思っていました。しかし、相手の力を利用して投げたり、相手が力が強いなら逆に抜いて相手を倒すという合氣道の技は、衝撃的で一つ一つの技が凄くワクワクさせてくれるものがあります。また、技をかける時、待って受け身になるのではなく、相手を誘い導いて先手をとり、自分の思うように投げる。この事は、自分の仕事でもある農業とも重なる部分があると思っています。農業も後手に回らないよう、先を見通し計画を練り、自分の思うように作物を作るのが大事だと思います。しかし、私は、まだどちらも出来ていないので、意識して、稽古や仕事に励みたいと思います。
今後の目標は、先ずは、まだ力に頼ってしまう傾向があるので呼吸力をできるようにすることです。次に基礎をもう一度見直すことです。私は、稽古の途中から参加することが多いのでので、体裁きなどの動きがへたくそです。今回の昇段審査でも形はできているようでも、体裁きが出来ておらず自己採点では30点ほどの演武だったと思っています。最後に、初心に戻り周りから多くのことを学び吸収していきたいと思います。「合氣道の精神」にもあるように、自己に打ち勝ち現状に満足せず、より高い自己完成を目指し、これからも、日々鍛錬を続けていきます。そして、将来的には、早く結婚をして子供をつくって、子供と一緒に合氣道をすることです。まだ先は長いですが。
1月28日(土)に、植木町の「ほんだ食堂」で、初段になった冨吉優太郎君、谷富小平君の昇段祝いを会員18名で行いました。