大先生の一言

突 き を 入 れ て 止 め を 刺 す と は 、な に ご と で す か 。

*私が初段の昇段審査を受けた時、大先生からの講評で受けた一言

「合氣とは愛なり」を厳しく大先生に指導された、私の初段昇段審査でした。

 初段の昇段審査を受けたのは、高校2年生の冬だったと思います。長崎市の諏訪武道館で長机を前に大先生が椅子に座っておられ、張り詰めた雰囲気の中での受験でした。
 審査項目をほぼ無難に終え最終項目、自由技(15本の連続技)の最後に腰投げを相手に掛け、上手く決まったので寸止めではありますが「エーイ」と掛け声と共に突きを入れました。自分ではカッコイイと思っていたと思います。
 ところが大先生の講評で、厳しいご指導がありました。つまり「倒れてしまって無抵抗で何もできない相手に止めを刺して息の根を止めるのは合氣道ではありません。相手を活かすことが合氣道の精神です。」と諭されました。私は、初段不合格を覚悟しました。合氣道の根本的な精神を分かって無かったと思えたからです。私の思いに反して初段の允可を頂きましたが私の合氣道人生において大きな節目になりました。
 私の「合氣とは愛なり」を探求する原点です。

本多理一郎 記

昇 段 合 格 に つ い て (前編)     初 段  眞 村 和 也

 私が合氣道を始めるきっかけは、二人の子供達が先に合氣道を習っていたからです。親子参加の忘年会に参加させていただいた際に、先生から入会を勧めていただきました。元々武道には興味がありましたし、親子で一緒に稽古をするのも楽しいのではないかと思い、入会を決めました。 友達が空手、柔道、剣道を習っていたので、それぞれの武道の楽しさを聞いていました。その中で武道ではありませんが、プロレスや格闘技に興味が湧いた時期があり、テレビを見たり、時には試合観覧に行ったりして技の種類など覚えたりしておりました。当初は、合氣道は攻撃的な武道ではなく、女性にもできる護身のための武道と考えておりました。私も、人に対して攻撃的な人間ではないので、自分には合っているのではないかと思います。     
 習い始めて5年ほど経ちますが、合氣道の奥深さにまだまだ考えさせられています。技もそうですが、精神面でも、まだまだ覚えなくてはいけない内容ばかりです。そんな事を考えながら日々稽古を行っている中で、昇段試験を受けることを先生から告げられました。けれど、まだまだ自分には早すぎるのではと強く感じたことを覚えています。それは、私は週に一回しか稽古に通うことができず、稽古時間も足りない状態なのに加え、覚えるのが遅く、何度も同じことを繰り返し行わないと身に付けることが出来なかったからです。正直、自信と自覚がない状況で時が過ぎていきました。そして、試験1ヶ月前になるとさすがに猛稽古を行わないと間に合わないと焦り、親徳館の先輩方にお願いし、稽古を付けて頂くことになりました。    (以下、次号に続く)

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