大先生の一言
あ な た が 何 も し な か っ た ら、 私 は 何 も し ま せ ん。 
※ 昭和61年11月5日 手帳の41冊目にメモしてある私の長崎道場時代を追想した大先生の一言

「どうぞ、いらっしゃい」という心の余裕が、「武技は天の理法を体に移す」元になるのかも?

私が長崎道場所属で初段だった頃、大先生は毎月土・日曜日の2回、熊本からバスで直接稽古指導に来られていました。ある月の稽古の後、大先生の宿泊されている旅館に有段者10名で伺った事がありました。長崎道場長に「何でもよいから砂泊先生に質問しなさい」と言われたので、私が、「先生失礼で すが、いつも演武会で指取りの技を見せてもらってますが、本当に技がかかるのか不思議です。一度、生の指を取らせて下さい」と言って取らせてもらいました。ただ黙って先生の左人差し指をとらせてもらっていると、何もなさらない。「先生、何故技をかけられないんですか」と聞くと「あなたが何もしないからですよ」との答えだったので、そこで思い切り先生の指を手の甲の方向へ折り曲げさせてもらいました。気が付いた時は、曲げた私が先生と私の前にあった机に自分の頭をしこたま打ち付け痛い思いをしました。また、愚かな質問をした事を後悔すると共に、合氣道と先生の凄さに益々興味が沸いたと書いてありました。
指先1本で人を投げ飛ばせるはずがないと思ってましたが間違いでした。
「武技は天の理法を体に移す」ことをすると素人でも出来ます。相手がしようとする事に任せる事です。
敵意を持たない相手 には何もしない。「どうぞ、いらっしゃい」という余裕が必要だと思いました。

      本多理一郎 記


6月21日(火)、午後7時から9時まで行われた北部武道場での親徳館合気道の合氣道の稽古に、東京都国立市で、松風塾の塾長として指導されている合気会七段位の宮崎慎一郎氏が訪れ、親徳館合気道の会員と共に稽古をしました。
砂泊先生のされていた「結びの合氣道」を学びたいということでしたが、いつも通りの稽古をしました。「7月下旬、塾生9人と共に再度、熊本に合氣道を学びに来ます」と話されて、東京に戻られました。

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